大判例

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東京高等裁判所 昭和27年(ネ)429号 判決

控訴人は、本件農地は昭和二十年十一月二十三日現在においては控訴人の自作地であつたから、自作地を小作地と誤認してなされた本件買収処分は当然に無効であると主張するので按ずるに、自作地を小作地と誤認して樹立された農地買収計画及びこれに基いてなされた買収処分は、自作農創設特別措置法の規定に違反するもので違法な行政処分たることは明かであるけれども、かかる場合においては、農地の所有者は同法第七条に基いて農地委員会に対して買収計画に対する異議の申立をすることができ、その異議に対する農地委員会の決定に対して不服があれば、都道府県農地委員会に訴願をすることができる。右訴願に対する同委員会の裁決に対して不服のある者は、さらに、同法第四十七条の二に定める期間内に右裁決の取消又は変更を求める訴を提起することができるのである。右のような買収計画に対する訴を提起しなかつた場合においても、農地の所有者は、右のような違法な買収計画に基いてなされた知事の買収処分に対して、別に同一の違法事由を主張して、同条所定の期間内に右処分の取消を求める訴を提起することができる。元来自作農創設特別措置法が買収計画及び買収処分に対する不服申立方法として異議訴願を出訴の前置手続として規定し、かつ同法による行政処分の取消又は変更を求める訴について短期間の出訴期間を定めたのは、右行政処分に関する争訟をなるべく速かに解決し、農地改革を急速に実現しようとする意図に出たものであることは明かであつて、右出訴期間を徒過した後においては、前記の如き自作地を小作地と誤認した違法事由に基く買収計画又は買収処分の違法は、もはやこれを主張することを許さない趣旨であると解するのを相当とする。すなわち、かかる訴の提起のない以上、買収手続に右の如き瑕疵があつても買収処分は法律上当然に無効となるものでなく、農地は適法に国の所有に帰属するものと解すべきである。

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